きっかけは、冷蔵庫の中に。

Loiter Marketの前身となるKreisでは、現在も無垢の素材を使った雑貨を企画しています。雑貨からジェラート？と驚かれる方も多いのですが、私にとって実に自然なことでした。地元の無垢の素材を活かすプロダクトを考えているうちに、冷凍庫の中に年中常備しているアイスクリームを見て「糸島は果実の産地。であれば、子どもからお年寄りまで喜んでもらえる、糸島のジェラートができるかもしれない」と思うようになったのです。

「EAT LOCAL」な考え方

ものづくりと同じく、私が大切にしているのは「人」です。生産者が大切に育てた果実をおいしいジェラートに変えて、生産者の人たちに恩返ししていく。それがLoiter Marketの考える [ EAT LOCAL ]。おいしいけれども、癖がなく、どこにでもある味では [ EAT LOCAL ]とは言えません。地元で採れたものを、新鮮なうちに、栄養があるうちに、食べる。それが当たり前になれば良いなと考えています。

糸島の風景が浮かぶ、ジェラートを。

ホテル仕様やジェラテリア仕様の機材を使うだけでも良いジェラートになりますが、糸島の味とは言えません。もっと皮に含んだ栄養素や畑で採れた青い香りや、種の周りのぬめりまでも入れ込みたい。そのために、果実の芯の青い部分も使ったり、食材の繊維を残すために低速と高速の2台のジューサーを使い分けたり、種を取って戻したり、その季節、その果実にあったベストな製法を心がけています。

Loiter Marketのこれから

製法はマニアックかもしれませんが、こどもからお年寄りの方まで愛されるジェラートを目指して、いつも試食係は家族にお願いしています。子どもは実に反応が正直です（笑）。大人が気づかない新しい味覚の発見を教わることもあります。現在、家族とともに糸島のトマトをはじめ、セロリ、ケールなど、青野菜のジェラートも挑戦中です。これからは、ジェラートを通して新しい食の再提案を、そして、子どもたちへ四季の恵みを伝えたい。Loiter Marketとして、そして、一人の親として、おいしく楽しく日本の味覚を届けていきたいと思います。
ロイターマーケットの食の再提案

step1 Material | 素材・材料

地元糸島を中心に、生産者さまと直接会話し朝摘みたての新鮮な素材を使わせていただいています。全国のその他地域でしか栽培されていない優れた食材も積極的に使用しています。また、国内では手配出来ない素材に関してはどうしても、輸入代理店メーカーのモノを使用せざるおえませんが、生産背景がしっかり把握でき安心して提供できるものしか使いません。

step2 Combination | 配合

ジェラートを口に入れた時の滑らかさやさっぱり感は素材の持つ美味しさとその他の配合によるところです。脂肪分、糖分、タンパク質、固形分、アルコール分、ecc..脂肪分の量やたんぱく質の量、ジェラート全体の水分量、追求していったら途方もない作業です。分子の結合などによって色々化学的な視点と、感覚的な視点が必要になります。知識と感性です。同じフレバーでも、季節(気温）の変化で配合も調整してベストの状態を日々調整しています。

step3 Freezing | フリージング

アイスクリームミックスを68度以上の温度で30分間加熱して殺菌します。また、この工程は原料に含まれる酵素の活動を抑える役目もあります。これは、酵素の活性化から起こる油脂の臭いを防ぐためです。
殺菌を終えると高速で撹拌しながら急速に冷却し凍結させます。そうすることでアイスクリーム特有の滑らかな食感になります。

step4 Rapid freezing | 急速冷凍

マイナス40度以下で冷却します。ジェラートの組織を劣化させないために、ここで水分の大部分を凍結させ水分の結晶の成長をとめ鮮度を保った滑らかさが出るようにしばし封じ込めます。

ここまで来たら、「作りたてのジェラートです！」って販売してもいいのですが、じっと我慢。実は、１日以上冷凍庫で寝かせます。全体に配合したすべてが融合し、味が落ち着き美味しさが増すのです。
皆さまの口に届けるまでに丁寧に作らせていただいています。